!ネタバレ注意!
世界観が複雑過ぎると言われているポストモダンRPGだが、それを理由に理解することを止めてしまってはあまりに勿体ない。
とりあえずわかっていることだけでも乱雑ではあるがまとめてみようと思う。
世界設定
俗に言うマルチバース
無数のパラレルワールドが存在し、世界によってルールも違う
例えば、ヴェラのいた世界では死後の世界に電話できる
ある世界では、ゲームデバイスでソウルスペースにアクセスできる
つまりゲームプレイヤーである、私たちの世界も含まれる。
自分の定義
パラレルバージョンの自分とは、魂を共有するもの
例、アレックス、エッセンシア、私たち(このゲームをプレイしている人)など
魂を共有していることが定義なので、並行世界の自分とは性別や人種が違っていることもあり得る。
マインドダンジョン
形而上的空間。
個人の精神を物質化した空間であり、記憶や思考などが無秩序に配置されている。
アレックスのマインドダンジョンは、公衆電話からアクセスでき、ここで精神や肉体を鍛え、強くなることができる。
メタ的、ゲームシステム的に言ってしまえばレベルアップルーム。
個人の数だけマインドダンジョンがある。
↑アレックスのマインドダンジョン
↑エッセンシアのマインドダンジョン
作中ではアレックス、ヴェラ、エッセンシアのマインドダンジョンが登場した。
余談
ヴェラのバニッシュで飛ばされたエンティティはなぜかアレックスのマインドダンジョンに転送される。これについての考察は別記事で書く予定
Y2K
Year 2000 problem
俗に言う2000年問題のこと。
1999年から2000年に変わるとコンピューターが桁の計算バグを起こし、金融やインフラの誤動作、果ては核ミサイルの誤発射を引き起こし世界的な破滅を引き起こすとされる問題。
作中でも上記の解説がなされ、アレックスたちは漠然とした不安を感じていた。
※ゲームタイトルはYIIK: ポストモダンRPGとなっており表記が異なっているが、これは
とのことである。
余談
ミレニアムバグという敵キャラが出てくる
世界の崩壊
作中では上記のY2K(2000年問題)が序盤から語られるが、それとは別の脅威としてエッセンシアから語られる。
元ネタはノストラダムスの予言
「1999年7か月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモアの大王を蘇らせ、
マルスの前後に首尾よく支配するために」
この文章を読んでもわかるように、Y2Kとは時期も違っているため本来無関係なものである。
日本では書籍「ノストラダムスの大予言」の流行により、上記のY2Kによる核ミサイル誤射などと絡め混同しつつ解釈されたようだ。
作中でもアレックスは直前になるまでY2Kと世界崩壊を結びつけることはしなかった。
本編ではアレックスの顔をした隕石、プロトコメットとして1999年12月31日に現れた。
その正体はパラレルワールドのアレックス「ダークアレックス」の集合体が変身した姿。
この状態でソウルスペース経由で各世界に現れ、破壊を繰り返していた。
このように、隕石アレックスによりもたらされる破壊ではあるが、唐突に起こるわけではなく前兆として世界そのものがおかしくなっていることが描写された。
ソウルスペース
世界と世界の狭間というべき空間であり、全並行世界を内包している。
死後の世界ではない。
移行するためには、俗世への執着を捨てる、強いストレスを受ける
などが必要。
作中ではストレスによりサミーがソウルスペースに移行したようである。
おそらく家庭環境等の精神的負荷によるものだと思われる。
また、ローリーは一時的にソウルスペースに移行した。
これは妹の自殺によるストレスが原因。
作中では完全移行することはなかった。
死亡した魂はソウルスペースには行かずに完全消滅するらしい。
しかし、上記のようにヴェラの世界では死者と通信ができるので、世界によって死者の行方も異なっているようだ。
余談
以前のサミー考察の記事で書いたが、医学用語の「乖離性遁走」がモチーフだと思われる。
並行世界移行方法
それぞれの世界に魂のニッチ(居場所)がある。
つまり、同じ魂を共有するものがいて、その魂の共有者が対象世界からいなくなるとスペースが空き、その場所を引き継いでソウルスペース経由で移行できる。
しかし、このルールは絶対的なものではないらしく、アレックスと魂を共有するエッセンシア2000はアレックスがいるにもかかわらずアレックスの世界に移行してきた。
エッセンシアの解説によると崩壊しかけた世界では無秩序に魂が出入りするらしいのでそれの一環の可能性もある。
ソウルサバイバー(エンティティ)
ソウルスペースに存在する魂だけの存在。
つまり元は人間。
精神体なので生身の身体を手に入れるのが目的らしい。
ヴェラによると人間の欲望を超越した存在らしい。
ソウルスペース移行の欄に書いたように現世への欲を断ち切った者のみが移行できる場所なのでヴェラの説明で一応は納得はできる。
しかし、エッセンシアは私欲のためにアレックスを利用したのでそれだけでは説明しきれない部分もある。
ゲーム上では通常の攻撃を受け付けない。
余談
作中では、「ゴスエンティティ」という亜種のような謎のエンティティが出現した。
バニッシュ
超次元の存在であり、通常の攻撃が効かないソウルサバイバーに対抗できる唯一のスキル(エッセンシア以外では)
ヴェラの固有スキルであり、ゼルダの伝説風のミニゲームに成功すれば、ソウルサバイバーをマインドダンジョンに追放できる。
おそらく、時空転送能力の一種
エッセンシア2000
パラレルワールドから来たアンドロイド
アレックスの夢に現れ、冒険のキーになり、ここから事件は急展開をみせる。
詳細は以前の記事を参照
ミスティカル・アルティマLPレジェンド
ヴェラワイルド製作のアルバム
ヴェラが本来の自身の世界で製作した。
元は、その世界での恋人について歌った曲だったが、元恋人の裏切り行為がきっかけで並行世界転移したヴェラの心の奥(マインドダンジョン)にしまわれていた。
ストーリーの根幹になるアイテムであり、アレックスの装備品(武器)になる。
あとがき
複雑で不明点もあるが、設定としては非常に面白く、考察していて楽しかった。
SFというかファンタジーというかオカルトというか、興味を惹く要素が散りばめられていてゲームの世界観としてはとても魅力的に感じた。
このゲームに出会えたことは本当に幸せだと改めて思えた。
個人の見解でまとめた記事だが、これがYIIK: ポストモダンRPGを理解する一助となったら幸いである。